“あまり”から生まれたつながり 「あまり粘土クラブ」の活動

4期生 渡邊みゆき 船木理恵

4期生はコロナウイルスに翻弄された最初の学年でした。対面であったはずの授業は急遽オンラインとなり、戸惑いながらのスタートでした。前期「プログラム実践演習」の講義で、素材に粘土を使った布下チームと高岡チーム。それぞれの授業に参加した私と船木さんが初めて直接会えた時、授業で余った粘土を使って「陶芸がしたい!」となり、授業がひと段落した11月に希望者を募り、「あまり粘土クラブ」は始まりました。

対面の授業では周りの反応が気になり発言も押えがちですが、オンラインでは率直に言葉にできることが多く画面を通してお互いを知るのに時間はかかりませんでした。

「あまり粘土クラブ」で実際に会え、自由に会話ができた時にはバーチャルがリアルになったような感動を覚えました。

“粘土”というプリミティブで可塑性を持った素材は、誰でも受け入れてくれる包容力を兼ね備えているのかもしれません。オンラインの限られた時間の交流を埋めるように、クラブでは授業を横断した会話が行き交う時もあり、また言葉を閉ざし制作に没頭する時もあります。修了後も集まりは続き、述べ9回22名のメンバーが参加しています。

会を重ねるほどにメンバーそれぞれの活動や、DOORへ参加した思い、未来の目標などを分かち合い発展させる場となってきています。忙しい毎日からふと立ち止まり、自分を見つめたり、逃げたり、表現したりする場をこれからも提供したいし、皆で育てていきたいと考えています。(渡邊みゆき)

 

「あまった粘土、またコネたい…できたら焼いてみたいです」「焼いてみる?」

2020年夏。藝大美術館で開催していたTURN展の帰り道、当時初対面だった陶芸家の渡邊さんが、私のリクエストに応えてくださいました。2人でやり取り分担しつつ、「人は集まるだろうか?」という不安は杞憂に終わり、想像以上に希望者が集まり、粘土を“コネコネ”、釉薬を“ぬりぬり”。個性豊かな作品たちと共に、たくさんの笑顔とつながりが生まれました。毎回特に決まったお題は無く、生徒はみんな子どものように自由そのもの。渡邊さん(先生)は大変だと思うのですが、「先生はやめて」と笑いながら楽しまれているとのこと。

粘土の感触を手で感じながら、自分と対話する贅沢な時間。インスピレーションから、創作イメージが溢れ出す瞬間。回を重ねるごとに広がる、表現の幅。仲間との他愛もない話、時に深い話。一人で没頭したい時、混ざり合いたい時。いつでも包み込んでくれる、柔らかでやさしい時間と空間。

“あまり”から生まれた“つながり”。粘土のように自由に色を変え、形を変えながら、これからもみんなで、ゆるやかに続けていきたいです。(船木理恵)