【25.10/10〜12】大人のための香りとアートのワークショップ ~香りを描く水彩のひととき~
8期生 伊藤 嘉之
東京藝術大学DOORプロジェクトの「ケア×アート」を軸に、芸術を通じて人と社会をつなぐ学びの場の中でソーシャリーエンゲイジドアート(SEA)の考え方に触れました。SEAは、アートを社会や他者との関わりの中で実践し、人びとの暮らしや心に変化をもたらそうとする取り組みです。その学びの延長で水彩画家・佐原和人さんと出会い、7月の函館蔦屋様に引き続き、今回の代官山蔦屋様でのワークショップが実現しました。テーマは「香りとアート」、そして「記憶と社会とのつながり」です。
大人のための香りとアートのワークショップ
~香りを描く水彩のひととき~
開催日:2025年10月10日(金)~10月12日(日)
会場:代官山 蔦屋書店
詳細・お申込みはこちら
https://kunihiro-stone.com/
佐原さんは、かねてより「香り」といった目に見えない感覚を視覚化したいと考えてきました。アロマテラピーサロンでの作品発表を機にアロマセラピストと出会い、そしてイギリス留学から日本に帰国し、日本での街角に漂う香りからふと目の前にイギリスの街角風景が目の前に見えた、浮かんだという体験から「精油の香りを絵にする」ワークショップを始められたそうです。これまでされてきたワークショップでの参加者はまず絵を鑑賞し、そこからイメージした精油を選んでブレンド。できあがった香りを嗅ぎ取り、新たな絵を描いていきます。その過程で交わされる言葉や表情から「香りってこんなふうに見えるんだ!」と歓声が上がり、驚きと喜びにあふれる場が生まれます。
「アートを通じて、その人に小さな変化をもたらしたい」と語る佐原さん。視覚と嗅覚を組み合わせる体験は、忘れていた記憶を呼び覚まし、自分の内面を見つめ直すきっかけになります。また、他者とイメージを共有することで違いを認識し、個性を尊重する心も自然に芽生えます。絵の上手さよりも自分の感覚を素直に表すことが大切なことではないでしょうか。
今回のワークショップでは、参加者が自らブレンドした精油をstone+のアロマストーンにこすり、その香りを水彩で表現します。水彩のにじみや透明感は香りの広がりや時間の移ろいを映し出し、言葉にできない感覚を可視化してくれます。特別な技術や経験がなくても大丈夫で、初心者やお仕事帰りの方も安心して参加できます。香りによって呼び起こされる記憶は個人的でありながら、他者と重なり合う瞬間があり、自然に交流を生み出してくれると思います。
さらに佐原さんは、この活動を医療の場へ広げたいと考えておられるそうです。心身につかれた人、自己肯定や癒し、認知症予防を得る助けとして活用できるのではないかと。現在は看護学部の学生にも美術を教えられており、アートが医療現場に浸透していく可能性を感じています。
ご興味・ご都合が合いましたら、ぜひご参加ください。

