第30回定例会 刑務所の中にあるファッションブランド

NEXT DOOR世話人

開催日:2022年11月26日(土)

NEXT DOOR第30回定例会は、井上普文先生と「みとびらプロジェクト」の皆さんをお招きして「刑務所の中にあるファッションブランド」というテーマでお話いただきました。

5期のケア原論の井上先生の講義の中で、受刑者の属性として高齢者や虐待、DV被害にあった女性の割合が増え、加害者も被害者である様相を呈しているとのお話がありました。
5期生のファッションデザイナー山部さんは、刑務作業品CAPIC(キャピック)を見て、魅力的な商品が無いと感じたそうです。商品づくりに自身のデザイナーとしての知識とDOORで学んだことを生かせるのではないか、という想いから「みとびらプロジェクト」を立ち上げ、「一般社団法人みとびら」を設立しました。
設立までの苦労話や法人化したことによるメリットなどの具体的なエピソードに加え、「みとびらプロジェクト」メンバーによる犯罪への意見なども交えて聞くことができ、より身近な問題として捉えることができたように思います。

勘違いをされやすい点として、加害者支援になっているのではないかという指摘や活動反対の意見もいただくとのこと。実際に刑務作業に向き合う受刑者の罪状を知ってしまったら、確かに複雑な気持ちになることもあるかもしれません。しかし、そのような意見をまるごと受け入れてもプロジェクトを推進したい、というメンバー皆さんの熱い気持ちが伝わりました。

受刑者への真の支援とは、刑務所を出た後、自分自身の力で社会に復帰し、二度と同じ過ちをおこさないようになることではないでしょうか。プロの縫製技術を伝え、消耗品ではない商品を妥協なく作り上げていく工程一つ一つが、若い受刑者の更生につながると信じたいです。(世話人玉木)