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2018
5/7

当事者との対話3「ALSと共に歩み、今そして、将来を生きる」

講師: 真下貴久(ましも たかひさ)(ALS協会)
真下さんは、ALS=筋萎縮性側索硬化症という難病です。言葉を発することが難しいため、講義は、昨年録音した自分の声をパソコンに取り込み編集し、再生する形で進められました。3年前に発症した時に医師から告げられたことを真下さんは「死刑宣告のようだった」と言います。喋る、動く、食べる、呼吸する、まさに「生きている証」のような運動機能が急速に奪われ、半数が発症後3-5年で亡くなる。有効な治療方法もない。「あなたなら生きることを選択しますか」という真下さんの問いかけに即答できる人は多くはないでしょう。ALSは、五感や意識に障害は出ないため、これまで通り、考えたり感じることはできるのに、それを伝える術が奪われます。そのことが自分には「動けないこと以上に苦しい」と語りました。

症状が進行する中、真下さんはこれから訪問介護事業に取り組むそうです。生きることを諦めない前向きさはどこから来るのでしょう。最も強調したのは「人との出会い」でした。「病気に関わらず出会いだけは平等にある」と真下さん。「病気になったからこそ出会えた人、支えてくれる仲間。薬ではなく、出会いこそが、絶望から自分を救ってくれた。仲間に支えてもらいながら、外に出てたくさんの人と繋がり、与えられた人生を生ききる」と締めくくりました。

 

文字支援:特定非営利活動法人ホープ

講師プロフィール

ALS協会

真下貴久(ましも たかひさ)

1980年12月大阪府堺市生まれ、2015年2月 34歳の時にALSを発症。
現在ALS当事者の立場から、
「人との出会い、つながりは、病気を乗り越えることができる」
との思いを持って活動を続ける。