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2020
9/28

色彩学

講師: 日比野克彦(東京藝術大学 美術学部長)
夏の集中講座「色彩学」に受講生が参加しました。年によっては総勢100名超の履修者数の多い授業です。

芸大生も多く履修しており、共に授業に参加をしました。
今年はオンラインでの開講でした。

こちらの授業は日比野先生担当の授業となり、科学的な色彩のアプローチだけではなく、個々の色彩への感覚を養う為の講座です。
下記、授業概要抜粋。
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この色彩学では、色について考えてみます。色は個人個人によって認識が異なっています。概念化された色彩学ではなく、色を表現の手段として使う私たちに必要なのは独自の色彩に対する意識を持つということです。一般的な色彩学ではなく、自分の色彩学を創り出すことが表現者として大切なことであると考えます。(中略)鍛えられた色身体を駆使し、色筋肉・色神経を獲得していくことを目的とします。
色彩には、さまざまな側面があります。科学的側面、心理的側面、絵画材料的側面、色彩光学の側面、また工学的側面などがあります。特に近年は、色彩の再現技術がデジタルの技術によって進化したために、従来型の絵の具を中心とした色彩の扱いとは異なった問題が出てきています。これらの問題点についても検討を加えていきます。
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授業では、日比野先生より100の指令が3日間課せられます。たとえば、
「自分の爪をスケッチしよう。色の特徴を言葉にしてみよう。」から始まり、
「まぶたの裏の色を見てみよう。報告書を書いてみよう。」など、普段意識しない色感覚へ揺さぶりをかけたり、
「夢の中で色を探そう。できたかどうか報告書を作成してみよう。」こちらは、宿題として課せられた一例で、自分は色をどのように知覚しているのか、色への意識の幅を広げるようになります。
また、色を科学的に分析する講義も実施され、多角的に色彩について考えます。
授業では、教室から飛び出し、校舎内でスケッチをしたり、上野公園などにへも出て、屋外で各々課題を制作しました。
色について考え続ける3日間、100本ノックのように次々と繰り出される多様な指令。
普段は当たり前のように目にしている様々な色を、自分なりに捉えて感覚や言葉にしていきました。