東京藝術大学とSOMPOケア株式会社が行なう『アーティスト・イン・そんぽの家S 王子神谷(Ais)』は、 アーティストが、SOMPOケアの運営するサービス付き高齢者向け住宅に1年間居住し、そこに住む人々との関係を育みながら 作品を展開するプロジェクト。現在は柳雄斗、楼婕琳の2名のアーティストが暮らしています。
楼婕琳と住人である「神さん」との交流をもとに制作された「神様の庭」が、TURNフェス5にて紹介されます。
|TURNフェス5>>
|会期:2019年8月16日(金)~18日(日)、20日(火) ※19日(月)は閉館日です。
|会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)ロビー階 第1・第2公募展示室
|入場無料
|主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京・東京都美術館、 |特定非営利活動法人Art’s Embrace、国立大学法人東京藝術大学
|Ais(アーティスト・イン・そんぽの家S 王子神谷)について>>
■ステートメント
《神様の庭》―神さんの心象を映すコラージュを空間化する―
高齢者向け住宅「そんぽの家S 王子神谷」でレジデンスを始め、ある人物を見つけた。 十年ほど、身近なものを素材に使って無心に創作している神さんのことだ。
ティッシュ、トイレペーパー、包装紙、新聞紙、枯れたお花など、 不要なものを丸めたり袋に入れたり大事にしている神さんのことが、使い捨ての現代生活を送っている私には分からなかった。
しかし、このような素材を切ったり貼ったり、身近なものから思いついき、直ぐに手を動かす神さんの行為をよく考えると、 彼女は絵やコラージュでモノへの愛着を表現しているではないかと、面白く感じ納得することができた。
ものに喚起された日常、感覚の連鎖、思考の飛躍。そこで、万千世界が見えてくる。
《神様の庭》は、神さんのコラージュに基づく空間作品。
実は神さんのこの絵を最初見た時、イギリス童話『ジャックと豆の木』のあるシーンを連想させられた。 私は最も神さんの心象風景と相応しい絵だと考えている。
——楼 婕琳 (ロウ・ジェリン)
■アーティストプロフィール
楼 婕琳 (ロウ・ジェリン)
1993上海生まれ。上海交通大学で環境デザインを学ぶ。
2019年東京藝術大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了、2017年DOOR修了。
「一体誰のために作っているの」。自分と他者の関係性に疑問を感じ、デザインからアートの領域に転向。 大学院の二年間で、人、空間、環境を考え指紋、掌紋、寝跡など身体の痕跡をテーマにして制作した。
■TURN
“違い”を超えた出会いで表現を生み出すアートプロジェクト
TURNとは、障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を、表現として生み出すアートプロジェクトの総称です。2015年、東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導する東京都のリーディングプロジェクトの一つとして始動した後、2017年度より、東京2020公認文化オリンピアードとして実施しています。
主催|東京都、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、特定非営利活動法人Art’s Embrace、国立大学法人東京藝術大学