第2回定例会 長寿時代「認知症とともに生きる」を考える

NEXT DOOR 世話人

開催日:2020年7月27日(月)

NEXT DOOR第2回定例会は、「長寿時代『認知症とともに生きる』を考える」をテーマとして3人に登壇いただきました。

一人目は3期生の藤井さん。認知症の母親を持ち、地元で「認知症本人ミーティング」の運営に関わっています。世の中の認知症観の変遷から、認知症当事者発信の歴史や当事者の声を紹介し、認知症本人大使「希望大使」任命など、現在の認知症施策を概説しました。認知症となった母親を巡るご自身の過去の対応への後悔や、それを受けての現在の活動について話し、認知症への正しい理解を持つことで「認知症になっても大丈夫!」と言える社会を創っていこう、と締めくくりました。

二人目は、施設や病院で、認知症や精神障がいのある方に向けた音楽ボランティアを続けている3期生の林さん。活動先の病院で出会った、入院前はホームレス状態で自分の記憶をほとんど失ってしまった方との交流体験を語りました。記憶の糸口を辿る中で見つけた花についての話題を共に深めるうちに、音楽活動を支えてくださる貴重な存在になったという経緯が印象的でした。

最後に4期生の高橋さんが「アートリップ(対話型アート鑑賞)」を紹介しました。ArtsAlive認定アートコンダクターとして、高齢者施設や都内美術館などでアートリップを数多く実施した体験から生まれた「高齢者・認知症の方々のアートに対する感覚はとても鋭く、アートリップに一緒に参加した介護者や家族にも嬉しい驚きです。それは当事者の尊厳の回復にもつながります。だからアートは楽しい!」という言葉は、示唆に富んだものでした。

ブレイクアウトルームで少人数での意見交換会を活発に行った後、認知症について学び語り合うNEXT DOOR分科会「チームD(Dementia)」の立ち上げと参加者募集が林さんより告知されました。

3人の登壇者から、決して「認知症になったらおしまい」ではなく、認知症とともに希望を持って生きていける多くの可能性がある、という深い学びを得ることができました。(3期林、4期高橋、世話人藤井)

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下段写真は国立西洋美術館より教育目的の掲載として特別許可を得ています。