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2021
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ケア実践場面分析演習 各チーム制作 実習先:養育里親Y家

講師: 金野千恵(建築家/teco)
<実習先の概要>

養育里親とは、様々な事情により家族と暮らせない子どもを一定期間自分の家庭で養育する里親のこと。

 

・4年前に里子委託をスタート。

・現在小学6年生の男の子を養育中。

 

<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>

Yさんとの会話のなかで、いろんな家の形やいろんな人の人生がある、いろんな人と関わりをもたせてあげたい、というような会話が私たちにとってキーワードになりました。

それから里子さん自身がものづくりに関心が高かったこともあり、

いろんな人の人生が知れるボードゲームを作りたい、そしてよかったら一緒に作りませんかとYさんご家族に提案させていただきました。

ルールを主にDOORメンバーで練り、その後Yさんご家族とテストプレイ、ボードやボードゲームを入れる外箱などを作成し、完成しました。

 

<作品のタイトル>

思い出探し

 

<作品について(概要・誰に伝えたいかなど)>

「思い出探し」は、すごろくとカードゲームの要素を備えた完全にオリジナルのボードゲームです。「思い出カード」というものに各自自分の思い出を書き、プレイヤーはすごろくをしながら他者の「思い出カード」を集めます。たくさんの思い出を集めた人が勝利する、というゲームです。

プレイヤーはゲームを通して、普段は改めて話さないような人の歴史を知って知られて、いろんな人の人生があることを体感します。

またそれを作ったり遊んだ時間も思い出のひとつに加わわればと思って制作しました。

 

<全体を通しての感想>

この制作を通して見えたYさんご家族の姿、というのも私たちにとって大きな成果になったなと思っています。

今回の制作では里子さんの意欲と彼のセンスの高さに頼るところがとても大きく、ボードゲームにもその世界観がよく現れていると思います。また、Yさんご夫婦からは里子さんへのリスペクトが常に感じられ、それでいてそっとサポートする、そういった姿が印象的でした。

作品にはYさんご家族の関係性、里親里子の関係性のひとつが表れていると思います。

 

(文責:養育里親Y家チーム

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学などにて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕 組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。
http://te-co.jp