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2018
7/14

アートプロジェクト実践論

講師: 奥山 理子(アーツカウンシル東京TURNコーディネーター)
今、全国各地で様々なアートプロジェクトが展開されています。「リレーショナル・アート」「ソーシャル・エンゲイジド・アート」とも言い表されるように、作品中心的な考え方ではなく、作品をとおして人と社会や、アーティストと社会をつなげていく、「関係性」を重視したアートの形を指します。とくに最近では、地域社会や社会包摂もアートプロジェクトの重要なテーマとなっています。
アートプロジェクト実践論では、東京都等が進めている東京2020オリンピック・パラリンピック公認文化オリンピアードである「TURN」を題材に取り上げ、全4回シリーズで開講しました。

第1回
7月14日(土) 13:00-18:30
TURN交流プログラムの現場でTURNを知ろう
ゲスト講師:
 池田晶紀(写真家、TURN参加アーティスト)
 川瀬一絵(写真家、TURN参加アーティスト)
 黒澤英明(社会福祉法人きょうされんリサイクル洗びんセンター総務部長、TURN参加施設)
 リサイクル洗びんセンターで働く利用者のみなさん
内容:
TURNは、アーティストが福祉施設や社会的支援を必要とする人のコミュニティへ赴き、施設を利用する人や職員との交流を重ね、日常の中から創造的な価値を育む「TURN交流プログラム」に取り組んでいます。初回の授業では、この交流プログラムを実践するリサイクル洗びんセンターを会場に、写真家の池田晶紀さん、川瀬一絵さん、担当職員の黒澤さん、4名の利用者の方とともに、彼らの4年間に及ぶ交流の変遷を紹介しました。

第2回  
7月21日(土)10:00-16:00
コーディネーターの役割
内容:
アートと福祉では、日頃目にする光景や使用する言葉、常識などにいくつもの違いがあります。TURNを進めるうえでアーティストと施設や当事者間で生じる様々な違いを、円滑に越えていくために欠かせないコーディネート業務について、奥山の活動事例紹介をとおして考えました。

第3回
8月4日(土) 10:00-16:00
TURNフェス4直前レクチャー
内容:
監修者・日比野克彦が考えた造語「日常非常日(ピッジョッピジョッピ)」を合言葉に、多彩なアーティスト、施設、ゲストが集まり盛りだくさんのプログラムで会場を盛り上げる「TURNフェス4」(8月17-19日、東京都美術館で開催)。開催直前の様子を詳細に紹介しながら、「TURN」や「日常非常日」とは何かを、探し、考えました。

第4回
9月1日(土)10:00-18:00
「TURNのある社会について」のディスカッション&グループワーク
内容:
これまでの授業や「TURNフェス4」などでの経験をとおして、「TURNのある社会について」を班に分かれて議論しました。TURNのない社会を出発点に考察する班、居場所について思考する班など、それぞれが現代社会と照らし合わせながら考えた後、最後は、一人ひとり個別に考えたことをまとめました。

講師プロフィール

アーツカウンシル東京TURNコーディネーター

奥山 理子

1986年生まれ、京都府出身。母の障害者支援施設みずのき施設長就任に伴い、12歳より休日をみずのきで過ごす。2007年以降の法人主催のアートプロジェクトや農園活動にボランティアで従事した後、2012年みずのき美術館の立ち上げに携わり、現在企画運営を担う。
企画、制作した主な展覧会に「ayubune 舟を作る」(2014年)、日本財団アール・ブリュット美術館合同企画展2014-2015「」(2014- 2015年)、「共生の芸術展『DOOR』」(京都府委託事業、2014年、2015年)、など。2015年より、アーツカウンシル東京TURNコーディネーター。