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2017
4/24

これからの市民に求められる態度1「社会的包摂とデモクラシー」

講師: 中島 岳志(東京工業大学 教授)
戦後まもない頃は、誰もが誰もを知っている、大きく強固なコミュニティがあった。しかしコミュニティというものは、厄介な存在でもある、と中島先生。価値観の多様化する現代では、古き良き「三丁目の夕日」には戻れない。当時は当時の問題があり、昔のままのコミュニティに戻っても良いのか、と続きます。

現代では、意味ある存在として位置づけられている場所、果たすべき役割である「トポス」が失われているのではないか。町内会のような強い絆(ボンディング)と、いつ切られても良い関係の薄い絆(ブリッジング)、この二つが必要なのではないかと語りました。

強すぎる絆は居心地が良いが、排他性を生み、本音を言いにくくなる。薄い絆はすぐに切れてしまうが、その方が本音を言いやすい場合もある。町内会もあり、他の場所もあるという橋渡し型のコミュニティがあると良い。これらのことを、札幌で中島先生が実践した商店街活性化の事例を紹介しました。
強い絆ばかりでは息苦しくなってしまい、薄い絆では心もとない。それぞれのコミュニティで、「トポス」を見出せる場所があるとバランスが保てるのではないかと述べました。