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  • ケア原論
2017
12/9

観察論 ケアにおける観察の重要性

講師: 飯田大輔(社会福祉法人 福祉楽団 理事長)
看護・介護においては、患者や利用者から情報が引き出せないことが多いことから、観察が非常に重要となります。
体の痛み、喉の渇き、排泄欲求など、患者や利用者から訴えを受けてからの看護・介護は、体力や精神的な消耗を招くだけでなく、施設側の業務効率も落ちていきます。言葉だけではなく、顔色や声色などの情報を得るなどの観察ができていれば、先回りして対応ができ、結果的に良い看護・介護につながります。

観察とは、変化を読み取ることと飯田さん。いつもの状態とは違うということを認識するためには、日頃からのコミュニケーションが欠かせないと感じました。その変化を読み取ることができた上で、患者・利用者にとって最善の利益を代弁すること。その人の特性、特徴を把握し、その人にあった看護・介護を行うことが重要です。

ケアという仕事には、多様性への理解やネットワークを形成する力、「クリエイティブな能力」が求められます。一朝一夕では獲得できないものではありますが、相手と向き合い、コミュニケーションをとり、観察し、対応することを積み重ねていくことが重要、と感じました。

講師プロフィール

社会福祉法人 福祉楽団 理事長

飯田大輔

1978年千葉県生まれ。東京農業大学農学部卒業。日本社会事業学校研究科修了。千葉大学看護学部中途退学。千葉大学大学院人文社会科学研究科博士前期課程修了(学術)。
2001年、社会福祉法人福祉楽団を設立。特別養護老人ホーム等の相談員や施設長などを経て、現在、理事長。
2012年、障害のある人にきちんとした仕事をつくるため株式会社恋する豚研究所設立、現在、代表取締役。京都大学こころの未来研究センター連携研究員、東京藝術大学非常勤講師。
主な論文に「クリエイティブなケア実践の時代へ 『ケアの六次産業化』という視点」(週刊社会保障第2782号)。
介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士。